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浪人すると不利⁈センター試験から大学入学共通テストへ

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現在のセンター試験が今年度で最後を迎えます。
それに代わる大学入学試験として、現高1生が受験する2021年1月から実施が決定しているのが「大学入学共通テスト」です。

次男はこの春から高3生になり、最後のセンター試験受験生になります。
現役で進学できれば問題ないのですが、仮に浪人してしまうと新テストを受験しなくてはなりません。

現高3生が浪人すると不利なのかどうかは ママ友の間でも話題になりますし、学校やそれぞれ通っている塾や予備校によって見解が分かれます。

予備校の保護者会に参加して聞いてきたことを元に考えてみました。

なぜ「大学入学共通テスト」に変わるのか?

近年、AI技術の進歩により急激な社会変化が起こっています。
事務的な作業はAIに取って代わられたり、クリエイティブな分野でも例外ではありません。

今後は人間だから生み出せるアイデアや発想を元に、グローバルな世界での活躍が期待される時代です。
海外や外国人とのコミュニケーションをとる機会も急速に増えています。

このような急激な社会変化の中では「自分で考え、表現し、判断し、それを実際の社会で役立てる力」が必要になります。

そこで国は「思考力・判断力・表現力」を養い、主体的に社会にかかわる力を身に付けられるよう教育改革に着手しました。
「大学入学共通テスト」は今進められている教育改革の一部なのです。

新テストはこう変わる

センター試験

・全てマークシート方式
・数学は単純計算問題が含まれている
・英語はマークシート方式の記述問題配点200点、リスニング問題50点
・当てはまる選択肢の数が示されている

大学入学新テスト

・20年度から国語・数学にマークシートと記述の併用問題が導入(24年以降は理社も導入)
・数学は単純計算問題なし
・情報(文章・図・資料)を組み合わせて思考・判断する問題
・当てはまる選択肢を全て選択する問題や該当する解答なしの選択肢を解答させる問題あり
・20年度から英語は民間の資格・技能試験を共通テストに代わる試験として認定(4技能試験)     ※4技能:Reading,Listening,Writing,Speaking

英語の変化が大きい新テスト

グローバル化をかなり意識しているようで、新テストは英語の変化が一番大きいです。

・現行の「筆記」が「リーディング」に改められる
・発音、アクセント、文法、整序英作などがなくなり読解問題のみ
・80分という時間は変わらず、30ページ以上の長文
・文章、手紙、資料などが混ざった長文で、コミュニケーションをとる場合の設定を重視
・実用を意識した問題に変化
・リーディングとリスニングが均等配点になる
・リスニングは1回読みになる(一部2回読みになる可能性あり)
・リスニングは問題数が増える

英語は23年度までは各大学の判断で、共通テストと民間試験の両方またはいずれかを利用できます。
東京大学は高校の調査書への記入内容で学力を判断し、成績提出を必須としない方針です。
名古屋大学は英語力の国際標準規格「CEFR」の「A2」(英検準2級程度)レベル以上を出願資格としますが、調査書に記載があれば民間試験の成績提出は必須ではありません。
東北大学もA2レベル以上を出願基準とするものの、合否判定には用いないようです。
大阪大学は民間試験を出願資格として活用し、24年度まで新テストと併せて判断されます。
慶應義塾大学は民間試験も新テストも利用しない方針です。
早稲田大学は複数の学部で新テスト受験が必須になります。

英語民間試験は受験生の住む地域や経済的な状況で格差が生まれることに懸念があり、大学側は公平性を確保するために頭を悩ませているようです。
上記の国立大学で民間試験をあまり活用しないのは、2次試験で独自の試験があることで求める学力を判断できるため民間試験を活用する必要がないのでしょう。
慶應義塾大学は現在でもセンター試験を活用していません。

受験前に民間試験を受験するのはかなり負担が増えそうで、不安になります。

現高3生が浪人するのは不利なのか?

上記のように、現行試験と新テストではかなりの違いがあります。
さらに大学入試センターは、新テストにおいて過年度卒業者への経過措置を取らない方針を発表しました。
学習内容の変更ではなく、出題方針変更のためだからです。

しかし、そもそも新テストに変えるのは「先行きが予想しづらいこれからの社会では、知識の量だけでなく、自ら問題を発見し、答えや新しい価値を生み出す力が重要になる」という考えから決めたことです。
なので、やはり問われている内容がセンター試験と新テストでは違うのではないかと思います。 

さらに、国語と数学で記述問題が出題されますが採点の公平性が保たれるのか疑問があります。
長男の先輩が新テストの試行問題(国語)を採点するアルバイトをしたようですが、結構いい加減だというような事を言っていたようです。
各大学の一般入試と違い全国の受験生が共通して受験する試験なので、採点者によって点数の違いが出てくることが予想されます。

また、志望する大学によって英語の民間試験を受験する必要が出てきます。
そのため早めに志望校を決めておかないと、受験直前になって民間試験が必要な大学を受験したくてもできないということが出てきます。

一方、浪人生が多い予備校では、勉強の蓄積が多い浪人生の方が有利でむしろチャンスではないかと言われているそうです。

次男が通っている予備校は現役生専門の予備校ですので、浪人すると不利になるとよく先生が言われます。

次男が通う高校の先生も、学校の教育方針などからむしろ新テストの方が生徒に向いているのではないか、ということをおっしゃっていました。

最初から新テストを受験する学年ならば対応していかなくてはなりませんが、浪人することにより前年と全く違う試験を受験しなければならないとなると、やはり負担は大きいように感じます。

やはり現時点では次男は浪人はせず現役で進学してほしいと思いました。