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息子が東大に合格した教育費貧乏にあえぐ母のブログ

【東大入学式】上野千鶴子教授の入学式祝辞を聞いて改めて思うこと

4月12日は東大の入学式でした。
毎年武道館で行われます。

上野千鶴子東大名誉教授の祝辞が話題になりましたね。
私も聞いて思うことが色々ありましたが、他の人と違う視点かもしれません。

子育てだけでなく自分自身を振り返って感じたことを書きたいと思います。

フェミニストらしい上野教授の祝辞

もし内容をご存じない方は、東大HPに祝辞が掲載されていますのでご覧ください。

話題になっているのは、特に前半部分の「女子学生の置かれている現実」です。
女子が難関大学に進学することの難しさ、東大女子の生きにくさ等、フェミニストらしい内容でした。

別の記事にも書きましたが、私の両親は高卒です。
子供の教育にほとんど無関心でした。

私が小学生の頃、とても英語に興味がありました。
“将来は英語を喋れるようになって、英語を生かした職業に就きたい”と強く思っていました。

しかし父は子供の教育に全く関心はありません。
その頃の父親はどこの家庭も同じようなものだったと思います。
母が専業主婦で、家庭のことは母に任せきりです。

母は自分が勉強嫌いだったせいなのか分かりませんが、私や弟の教育にあまり熱心ではありませんでした。
私が英語に興味があったにも関わらず、その意欲を汲んでサポートしてくれることはなかったのです。

例えば、英語教室から短期ホームステイの案内チラシを貰った時のことです。
英語教室に行かせて貰ったのも、別に教育熱心だった訳ではなく近所のママ友が子供に行かせたから同じようにしただけの話です。
とにかく、子供の教育より自分の世間体、自分の人間関係の方が大事な人でした。
私は是非ともそのホームステイに行きたくて、もう絶対行かせてもらえると思っていたので色々計画を立てていました。
将来の夢まで想像が膨らんでいたくらいです。
しかし、行かせてはもらえませんでした。
理由は、近所の友達が行かないからうちも行かせない、ということです。

それは一例なのですが、その他にも中学受験など私がやりたいと思ったことはことごとく反対され実現しませんでした。
反対を押し切ってまでの力がなく、いつしか勉強への意欲もなくなり何の取柄もない普通の平凡な女性になりました。

女性だから十分な教育を受けさせる必要はないと思っていたのでしょうか。
私が母に色々反発して返ってくる言葉は「普通は~でしょ」「みんな~よね」です。
以前義理の母が「女の子が大学に行ってもしょうがない」と言っているのを聞いたことがあるので、性差別的な考えの人がたくさんいる年代だったのでしょうね。

上野教授の祝辞の前半を聞いて、少し偏った見方だと思いつつも自分もそういう状況に置かれていたな、もっと広い視野を持った両親に育てられていたら違った人生があったんじゃないかな、と思ってしまったのでした。

一番心を打たれた言葉 「がんばったら報われたのは、環境のおかげ」

上野教授の祝辞が続きます。
少し眠たくなっていた所にパンチを食らったようにはっとさせられた箇所が出てきました。

がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

出典:東大HP

これを聞いた時“これ私のことじゃない!”と思いました。
同時に、息子にも心に刻んでおいてほしい言葉だと思いました。

がんばる意欲をくじかれた人は私です。
そして、息子にがんばったら報われた環境を与えたのは夫と私です。

実は、息子に言われたことがあります。
「小学校の時に勉強させられたのがすごく嫌だった」と。
私を恨んでいるようでもありました。

中学受験をさせた時のことを言っているのだと思います。
確かにあの時は私もついつい成績をあげたいばかりに、息子にきつく接してしまったかもしれません。

自分が中学受験をしたくても叶わなかったこと。
東京の大学に行きたかったのに叶わなかったこと。
二流大学卒の為に今現在苦労していると思っている夫。
それらの想いが息子に向かっていました。

今は分からなくても、卒業して社会に出てからでもいい。
いつか息子にも自分の幸運が自分の努力だけの結果ではないことを気付いてほしいものです。

まとめ

東大に合格したからといって偉いわけでもないし、東大を卒業したから人生安泰という時代でもありません。

でも、少なくとも自分が心から行きたいと願った大学に進学できたことは幸運だし、東大という学歴はこの先の人生において不利に働くことはないと思います。
学歴で苦労している夫を見ていて、つくづく感じます。

今はまだ理解していない息子ですが、私達夫婦は息子に良い環境を与えたことを誇りにしていきたいと思っています。

上野千鶴子教授の祝辞を聞いて、改めて思ったことでした。