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息子が東大に合格した教育費貧乏にあえぐ母のブログ

中学受験は早慶MARCH付属校が人気ですがおすすめしません

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2019年度の首都圏の中学入試で、大学付属校の受験者数が大幅に増加したようです。

様々な理由からの行動なのでしょうが、子供達を中学受験させ大学受験を終えた息子と大学受験に向かう息子を持つ身としては「本当にそれでいいの?」と疑問を持たざるをえません。

中学受験するなら付属校はおすすめしません

付属校に入学させたい気持ちは痛いほどよく分かります。分かっているつもりです。
様々なご意見があると思いますが私個人の独断と偏見であることをご理解いただき、考えを述べたいと思います。

少子化なのに中学受験者が増えている

2008年のリーマンショックを境に受験者数が減っていたものの、2015年から年々受験者数が増えている首都圏の中学入試。
少子化で子供の数が減っているにも関わらずですから、受験率で考えるとかなり増えていることになりますね。
うちの息子達の学校もここ数年受験者数が増えて倍率も上昇し、今だったら合格するのは難しかっただろうと思っています。

プレジレントオンライン(2019年2月26日「中学受験のMARCHシフトが加速する理由」)の記事によると、その理由をこう分析しています。

(1)「中学受験熱」の高い都心部の小学生の数が増加していること。
(2)いまの小学生の保護者世代は1990年前後の「中学受験ブーム」の頃に小学生である場合が多く、自身も中学受験を経験している可能性が高いこと。→中学受験に対する抵抗感が少ない。
(3)上記の項目と関連するが、祖父母の中学受験への経済的支援が得られる場合が多いこと。→「教育資金贈与の非課税」制度もそれを後押ししている。
(4)2020年度あるいは2024年度からの大学入試改革への不安が高まっていること。
(5)2016年度より実行された文部科学省による「大学合格者数抑制策(定員の厳格化)」により、主として首都圏の私立大学が難化していること。→これに伴い、浪人生が増加している。

5つの理由が挙げられていますが、私は(4)(5)の理由が特に大きいと思います。

大学入試に対する様々な不安

「大学合格者数抑制策」により首都圏の私立大学が難化

私大が難化した理由1つは、国の「私大定員厳格化」の影響です。

2015年までは総定員8千人以上の大学は、入学定員充足率(国に届け出た入学定員に対する実際の入学者の割合)が1.2倍までに抑えられていれば、私学助成金は満額が交付されていました。

しかし2016年からこの定員充足率の基準が年々厳しくなっており、基準を満たさない大学は助成金が受けられなくなりました。
それにより、これまで定員より合格者を多めに出して入学者を確保していた大学が基準を超えないように合格者を絞り込むことになってしまったのです。

私立大学の最高峰である早慶上智の定員が減ったことにより従来そこを目指していた受験生がMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政 )に流れ、MARCHも定員が減っているのでさらにその下に…と受験生がシフトしています。

ちなみに総定員8千人超の大学は都市部の大学なので、都市部だけがこのような現象になっています。

この「定員厳格化」措置は安倍内閣の「地方創生」政策の一環で、都市部の学生が集中するのを抑え地方に振り分ける狙いがあると言われているとのこと。

就職先が都市部に集中している現状があるのに、学生だけを地方に振り分けてどうしようというのでしょう。
目先の事しか見ていない短絡的な政策で学生が振り回され、本当に政府には憤りを感じます。

入試の多様化で受験生の併願数が増加

少子化で18歳人口は減っているのに、大学志願者数は増えています。
それは、大学入試が多様化したことにより、受験生1人が受ける併願校が増えているからです。

例えば、AO入試に始まり、センター利用入試、一般入試と1つの学部学科でも複数のチャンスがある場合がありますし、日程がずれていれば他の学部や学科と併願できます。

ただこれは主に文系の学生に当てはまり、理系はそれほど影響を受けていないような気がします。

私立大学の1つの大学の理系学部は1つか2つ、あっても日程が同じで併願できません。

現に、早稲田大学理工学部は3つあり学科もそれぞれたくさんありますが、受験日が全て同日なので併願はできません。

また、早慶の理系の学部はセンター利用入試がありません(慶應は大学全体としてセンター利用入試がなし)。

理系志望の場合、学部によって専門性が全然違い就職先も異なるので、複数の学部を併願するという選択がしづらいこともあるかもしれません。

ともあれ、息子達の周りの状況を見まわしてみても難関私立大学の文系学部に入学するのは以前に比べて大変になっていることは間違いないです。

2020年から「大学入学共通テスト」へ

2020年から、これまでのセンター試験に代わり「大学入学共通テスト」が始まります。

本当にこれまでとガラッと変わるので、新テストが始まって数年は色々混乱したり問題が発生することが予想されます。

現在中学受験をする方が大学入学の頃、ちょうど大学入試改革の過渡期に当たるので、まだ混乱していて落ち着いていない可能性があります。

付属校だからといって安心できない

上記のように大学入試に対する不安から、中学受験で大学付属校を選んでしまう心理は分からなくもありません。
というか、本当に気持ちはよく分かっているつもりです。

でもちょっと落ち着いて考えてみて下さい。
大学付属校に入ったからといって安心はできないのですよ。

入試がないと勉強しなくなる

息子達は中高一貫校で大学は付いていませんが、中学に入学してから高校2年生まで授業と定期考査前(それすらしない時もあった)以外はほとんど勉強しませんでした。

お宅の息子だけだろう、と思われるかもしれませんが、学校説明会でもそういうお話はありましたし高校入試がないだけでこのような状態になる人は多いようです。

ただ5年近くのんびり学校生活を送っていたのが高2の修学旅行が終わると雰囲気はガラッと変わり、勉強に意識を向ける生徒が多くなるようです。

高校受験がないだけで、こんな状態になるのです。
もし大学受験がなければ、高2終わりからの勉強に集中する時期もない訳です。
当然、学力は大学受験に向けて頑張っている生徒に比べて身に付きません。

長男の同級生で現役で最難関私立大学に行った複数の友達に聞いた所、一般入試で入学した学生と内部生の学力の差がかなり激しいとのことです。
同じ大学の同じ学部とは思えないくらいだそうです(詳しくは言えませんが、かなりオブラートに包んだ言い方です)。

仮に勉強しなくても他に打ちこんだ事があればいいのでしょうが、ただ漫然と過ごしていて学力もないのに進学できてしまったらどうでしょう。
しかも、大学には進学できても希望の学部に入れなかったらモチベーションはさらに低くなります。

MARCH付属校じゃなく早慶なら十分でしょう、というのは間違いです。
早慶でも学力がない内部生が多いのは同じです。

中には勉強が好きで入試があろうがなかろうが勉強する子はいるかもしれませんが、大部分は楽な方に流れてしまうのが人間の真理だと思います。

中学1年生で大学がほぼ決まってしまう

中学受験で大学付属校を選ぶと、9割方その大学に進学します。

希望の学部に入れればいいですが、内部生の中でも選抜があって入れなかったり、そもそもその大学に希望の学部がない場合もあります。

中学1年生の時点で将来どういう方向に進みたいかどうかはっきりしている子は少ないと思います。
息子を見ていても、高校3年生になって受験校を決める段階でさえ悩んでいました。

そんな状況で付属校に入ってしまったら、多くの子供はもう受験がないので安心とばかりに勉強しなかったり将来について考えることをあまりしなくなるのでは、という新たな悩みが出てくるのではないでしょうか。

仮に新たな目標が見つかって外部の大学を受験する決意をしても、周りののんびりとした雰囲気の中で意思を強く持って受験勉強に励むのは普通より厳しいものがあると思います。

就職の時に苦労する

上記のように入試方法が多様化したり付属校が多かったりで、大学名だけでは個人の学力を判断できなくなっています。
その為、就職の採用時に出身高校も選定基準の1つにする企業も増えているそうです。

AO入試で入った学生は基礎学力が低いケースが多い」という考えに加え、「内部生の基礎学力が低いケースも多い」という見方をする考えも少なくないそうです。

付属校から有名私立大学に進学できたとしても安泰ではありません。

 

まとめ

大学入試はこれからどうなるか不安ですし、我が家も例外ではありません。
しかし付属校に入ったからといって安心できるとは限りません。
大学進学時か就職時か分かりませんが、必ずどこかで苦労する時期が来ます。

不安なのは誰でも同じです。
一時の安心だけでなく将来を見据えて、中学受験を考えてほしいと思います。

以上、私個人の独断と偏見でした。